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#10


今回は,OT学会にあわせて,当事者のリカバリーに向けたOTの役割 入院と地域のOTにできる事というテーマでいつもとは違った取り組みをしました.

昭和大学附属烏山病院の小林さん,訪問看護ステーションKAZOCの渡邊さん,横浜市総合保健医療センターの馬塲さんより実践の紹介をしていただき,そののちにテーマに沿った内容でそれぞれに想いと考えを語って頂きました.

ここでは当日出た意見(参加者の意見も含む)のいくつかを記してみます.

≪リカバリーと作業療法とそれぞれの領域について≫

・病院では急性期が花形.リカバリーに向けた支援は転院先の病院でという事になりがち.

・OTに何をお願いしたらいいかわからないと他職種から言われる.

・自分で選んだ生活を送ってもらうのがOTの役割と感じている.

・挑戦をする場面を作る.失敗体験をしないようにではなく,保護的な環境の入院OTで失敗してもらう事も時には必要と感じる.

・精神科の入院には非自発的なものも多く,自分の意向を大切にされなかった経験が多いのではないか.そういった中で個人の意向を大切にして関われるのは院内のOTの強みなのではないか.

・リカバリーのキーワードは「尊厳」,「権利」といった部分に行きつくと感じている.そして,ここがなければ回復のスタート地点に立てないのではないか.

・地域で働くOTが圧倒的に少ない,OTが何をするのか知らない職種が多い.

・地域の作業療法についてはこれから定義されていくのではないか.今明示されていなくとも,現状の実践がいづれ地域の作業療法となっていくのではないか. 

・就労そのものがリカバリーではなく,なぜ働くのかといった,就労の「先」を考えるのがリカバリーなのではないかと感じている.その為,就労そのものに重きをおいて考えていない側面がある.就労するだけならば意外と簡単にできるが,精神障害者は他障害に比べて,短期間で辞めてしまう方が多い.

・(就労支援センターは)企業とご本人の間に立つので,時に厳しい事も言わなければならない.

・(訪問看護の利用者で)仕事を始めた方から,社会は厳しい,取り巻く支援が優しすぎたと言われた.でも,優しくしてもらいたいときもあると思う.そんな時に外来OTをすすめている.OT場面の環境設定や関わり方は丁寧で優しい印象があり,デイケアよりも利用しやすい方もいる.

≪多職種協業≫

・同じ視点を共有する.単なる分業ではなく,シェアできるところを見つける.

・自分の視点を伝えるためにMOHOを使っている.

…など

院内OT,訪問看護,グループホーム,大学の先生,学生と様々な地域,背景の皆様にご参加頂きました.私自身,何人かお話しできなかった方がいたのは残念でしたが,また機会があればぜひご参加ください.

次回は通常の事例検討を計画しています.年内にもう一回の開催を目指して調整中ですので,よろしくお願い致します.告知は本HP,東京・神奈川・埼玉の県士会のHPを予定しています.直接の通知が必要な方はメーリングリストもございますので,事務局までご連絡下さい.


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